楽器の健康所帯は、奏者にとって気になるところです。特に日本の四季は、楽器にあまりよくない影響を与えることが多いです。
梅雨です。そして、夏です。
特にこの時期はつらいです。暑いから練習しづらいことや、音も飛ばないこと、楽器にもよくない。
湿度計の重要性
これから湿度と温度ともに高くなります。
なぜ、温度・湿度を管理することが大事なのか?
簡単に言うと、過度に乾燥すればクラック(ひび割れ)が発生する、湿度が上がれば、カビの発生による本体損傷リスクが高くなる、など。もちろん、そうなってしまった場合には修理にはお金もかかります。
なので、そうなる前に、できる対策、湿度管理を日常的にしておきましょう。
その前に、湿度計持っておきましょう。
個人的にタニタがオススメです。2年近く使っていますが壊れていません。
ただし、湿度計は温度計と違い寿命があります。詳しくは調べていただければわかると思いますが、消耗品です。
定期的に買い換えをオススメします。
タニタを二台と他のをひとつ持っています。一応違うメーカーの物を持って同じ場所ではかったり、違う場所に置いて、全体の湿度を保っています。できれば、弦楽器や木製の楽器を使われる方は、楽器のためにもご自身の健康のためにも、50%〜60%くらいに収めたいところです。
場所を少しずらすだけでずいぶん湿度が変わってしまうこともあります。
湿度計とにらめっこしていると、なんとなく、その日の天気などから湿度がわかるようになってきます。
湿度が高い場所で楽器を取り出すときには気をつけましょう。
たまにあると聞くのが、暑い外の空間から、中の冷房空間に急に入って、楽器に影響が出た、という事例です。
あまりにも違う温度環境の所に入るときには気をつけてください。少し、その場所の温度湿度に、ケースごと慣れさせてから、楽器をあけましょう。
春から夏の高湿度対策
乾燥剤
春から夏場の必須アイテムは、なんといっても乾燥剤。
私は、ドライペットをケースの中に二つほど入れて、2ヶ月おきくらいに入れ替えています(粒がゼリー状になったら交換時期です。)。
楽器用のものもあります。高価な楽器には、こう言ったものを使われた方がいいでしょう。
ケースの中に、湿度計を入れてもよいですが、中々見られないので、楽器自体を触って判断するしかありません。
冬場は乾燥する方向なので、不要です。しかし、環境によっては湿度が溜まってしまうこともあるので、各自練習頻度、ケースを開く頻度を考えた上、判断して下さい。
除湿器・乾燥機
当然ですが、保管場所が乾燥していることもあります。
逆に、冬場は特に乾燥するので、気をつけてください。
私自身は、このタイプの除湿器を置いています。
うちは、冬場でも60−70%になりやすいので、乾燥機をきかせて、だいたい55%を維持するにしています(参考:除湿機)。
これは部屋のカビ対策や健康対策も兼ねています。
このあたりは、人の肌感覚などにもよると思うので、各自気をつけながら楽器保管との兼ね合いをとってください。
調子のよい日悪い日、楽器の期限のよしあしは、意外と温度湿度と関係がある可能性もあるので、是非、考えてみてください。
また、楽器本体を使用後にきちんと拭き取ること。これも、湿度を下げます。顎あてに汗がしみこむこともあります。なるべく、布を使いたいです。
ネックや指板もきちんと汗が残らないように気をつけましょう。できたら、すぐしまうのではなく、楽器本体の熱が少し冷めてからケースに入れる方がよいと思います。
安い楽器だろうと、高い楽器だろうと、同じように痛める可能性はあります。キチンと拭き取ることや、乾燥剤がどれくらい消耗したかなど常にチェックを心がけましょう。
まとめ
自分の楽器を守るのは他ならぬ自分自身です。
ひび割れてお金がかかるのも自分の責任です。それによって、音色に影響が出るのも自分の責任です。
まして、これからプロを目指す人や、プロの方は、徹底した楽器の管理をすることが、文化の維持、貢献につながります。
楽器は、物によっては数百年の時間を保ち続けてきました。これから後の世代に、よりよい楽器を残すためにも、私たちが保全していくより他ありません。
決して、軽率な行動で楽器の寿命を縮めることがないことを祈ります。
お金で買えない物もこの世界にはあるのですから。
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