成功する音楽家の新習慣という本があります。通常の書籍よりすこし大きめの本です。
大人からの楽器初心者の練習計画は、先生に立てて頂くことが多いように思います。初心者は、何から手を出したらよいかわかりませんからね。
少し読みづらいかもしれませんが、楽器を少しでも始めた人、本番の演奏をする可能性がある人には、是非、手に取って欲しい本。
やや普通の本よりは大きめのサイズですから、外で読むのは厳しいです。部屋の目に見えるところに置いて定期的に読んでください。
以下のような章立てになっています。
章立て
第Ⅰ部 練習上手になるためには
1.準備を整える
2.深く練習する1
3.深く練習する2
4.深く練習する3
5.深く練習する4
6.グループでの音楽活動
第Ⅱ部 恐れずに演奏する
7.演奏不安とは何か?
8.パフォーミング・アーティストになるためには Ⅰ
9.パフォーミング・アーティストになるためには Ⅱ
10.パフォーミング・アーティストになるためには Ⅲ
11.プロらしく演奏するためには
第Ⅲ部 音楽家であり続けるために
12.故障を防ぐ Ⅰ
13.故障を防ぐ Ⅱ
14.生徒として成功する
大切なこと
以上14章から成り立っています。全て大切なのですが、
気をつけて欲しいのですが、音楽家と書かれているのは、プロアマ問わず楽器を演奏するすべての人を表しています。
初心者も、上級者も区別ないがないと思って下さい。音大卒業生だろうが、独学だろうが関係ありません。演奏する人は、皆、演奏家であり、音楽家です。
本書のP122の質問項目一覧も非常に勉強になります。これら質問項目は、当たり前と言えば、当たり前のこと。
しかし、どれだけの人が意識しながら練習に関わっているか?
定期的に熟考し、読み返す価値ありです。
教育、楽器を教える仕事、それに携わる人の責任はより重大です。親御さんも同じです。
どのような練習をさせるか、どのような練習姿勢をもたせるか。
練習そのものの有無や可否よりも、練習への準備、課題の明示化、目標設定。
子ども自身は自分で計画を立てる力がないかもしれません。
一緒になって、考えてあげる必要はあるかもしれません。
まとめ
準備し、練習する。練習のやり方については4章も割いて、じっくりと書かれています。
そして、実際の本番を迎える。
本番は当然ですが一回勝負。本番を迎えることにあたって、現れる不安の対処の仕方、不安を具体的に把握する方法が書かれています。
演奏不安への対処についてこんなに詳しく書かれている本は見たことありません。どうしたら、不安を抱えながらよいパフォーマンスをできるかに焦点を当てて解決策を探ります。
プロらしく演奏する。当たり前のことかもしれませんが、これから音楽や楽器演奏を学び、プロを目指す人たちにとっては、骨身となるまで身につけていくべき内容です。
一つだけ引用します「大切なのは芸術性−感情のこもった、心に染み入るような芸術性であり、演奏者がゾーンに入っているかどうかは問題ではない」これは、よいことばだと思います。
私個人も多くの演奏会に行ったことがあります。楽器をぶんぶん振り回して、いる演奏をみると、さぞかし気持ちよいのだろうと思う一方で、こちらは、冷めた目で見ています(笑)そんな演奏会にしばしば出会うことがありました。
結局のところ、お客様のもとへ音楽が届けられなければなりません。不達に終わった音楽は、単なるいい曲、綺麗な曲だったね、ということで終わります。記憶からは次第に薄れていきます。
本を読んでみるかどうかは別にしても、一度、本当にそのような演奏ができるのか?自分自身の録音をとって、あるいは、忌憚なき意見を下さる人たちの前で演奏し、色々と話を聞いてみるとよいと思います。
色々と理論があっても、最後は、
芸術。表現し、伝えることに尽きると私は思っています。
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